今回は、リュウキュウスガモという海草が生い茂ったこちらの水槽で起こった掃除中の出来事についてのお話です。

この水槽には、オオイカリナマコを展示しています。
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海草の間を縫うように移動しているせいか、お客様からは、どれがナマコ?どこが頭?とよく言われます。
体を追って見てみると、先端にぐにゃぐにゃと動くたくさんの触手がある方が、頭です。
その触手の真ん中に開いた穴が口で、触手で海底の砂をつかんで口に運びます。
砂地などに生息するオオイカリナマコは、砂についた有機物を吸収して、もう片方の先端にある肛門から砂を出して、食事をします。
出てきた砂は、有機物が取り除かれてきれいになるので、海のおそうじ屋さんとも言われます。
そんなオオイカリナマコでもガラス面に生えてくる藻類は取れないので、
飼育員がコツコツと掃除をしてきれいに維持しています。
いつものように掃除を終えて、手を洗っていると手がチクチク痛みました。
よーく見てみると、何か刺さっているように見えます。
小さなトゲの正体は?
人差し指がチクチク痛むので、拡大してみると、

何やら、刺さっていますね。痛みの正体は、このトゲのようですが、形がはっきりと見えません。
アトアには、拡大鏡を展示していますので、拝借してこのトゲを見てみました。

すると、釣り針のような形のトゲが刺さっているのが分かります。

実は、このトゲの正体は、
オオイカリナマコの体表に散在している骨片という小さな骨なのです!
おそらく、掃除中に持ち上げて移動したときに骨片が引っ掛かったのだと思います。
イカリ⚓型のトゲ
この小さな骨片、何かの形に似ていませんか?
お察しの通りで、船に備わっている「錨(いかり)」と同じような形をしており、
骨片の形が名前の由来になっているのです。
多くのナマコは吸盤が付いた管足という肢で移動しますが、オオイカリナマコには、管足がありません。
代わりに、イカリ型の骨片を砂や岩に引っ掛け、体を伸縮させながら前進しており、イカリ型の骨片を移動に役立てているのです。
さて、今回はオオイカリナマコの骨片について紹介しました。
名前の由来になっているのは知っていましたが、実物は見たことが無かったので、身をもって知ることができ良い機会になりました。
生きものの名前は、外見の特徴が由来になっていることが多いですが、オオイカリナマコのように小さな特徴が由来になることもあります。
アトアでは、間近で生きものを観察できる機会がたくさんあります。
小さな特徴まで観察して、じっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。

