アトアでは、環境エンリッチメント(動物福祉の立場から、飼育動物の"幸福な暮らし"を実現するために具体的な方策)の一環として、廃棄処分予定であった消防ホースを再利用したエンリッチメントアイテムを制作しました。その第1弾はコツメカワウソに特製ハンモックをプレゼントします!
エンリッチメントアイテムには、生きものたちが遊ぶ「おもちゃ」や、餌をあえて取りにくくして餌を探したり、食べたりする時間を延長させる「フィーダー」など、多様なアイテムがあります。どれにも共通する重要なポイントに安全性が挙げられますが、消防ホースはその耐久性や加工のしやすさから、全国の動物園・水族館で環境エンリッチメントに利用される事例が多くあります。
今回、エンリッチアイテムを作成するにあたり担当飼育員がアイテムの素材として消防ホースをご提供いただけないか神戸市消防局に相談したところ、SDGsの観点から賛同いただき、廃棄処分予定であった消防ホースの一部を譲り受け、生きものたちへプレゼントを作成しました。
素材が丈夫な故に、20mの長さのホースを編み込んだり、穴をあけたり加工にてこずる場面もありましたが、模索しながら2つのアイテムが完成。生きものたちは個性豊かで新しいものを見たときに興味津々で近寄ってくる個体もいれば、警戒して慣れるまで時間がかかる個体もいます。廃消防用ホースを再利用したプレゼントは、気に入ってくれるのでしょうか...!?
【消防ホースで作成したエンリッチメントアイテム】
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ハンモック ・・・ コツメカワウソへのプレゼント
コツメカワウソたちの噛む力は強く、寝床の麻袋もすぐにボロボロに...。頑丈な消防ホースなら、カワウソの寝床にもぴったりかもしれません!また、ハンモック状の寝床にすることで空間を上手く利用でき、さらに水で濡れた床で体を冷やさないように寝ることができます。
こちらのハンモックは9月28日(水)13時より実施するコツメカワウソ「お浜」の誕生日会内にてプレゼントいたします。
■コツメカワウソ「お浜」2歳の誕生日会
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フィーダー ・・・ カピバラへのプレゼント
現在、カピバラたちの餌やりは目の前に野菜などを並べて与えていますが、あっという間に食べてしまいます。ところが、自然界の動物たちが餌を食べるには、餌を探すことから始まり、1日のうちの多くの時間を費やしています。
特製フィーダーで餌を与えることで、少しでも時間をかけて餌を食べ、自然界の行動の時間配分に近づくことを期待しています。
こちらのフィーダーや他のエンリッチメントアイテムを使用している様子は今後随時SNSで配信する予定です。
※プレゼント後は生きものたちが飽きないよう不定期で使用予定。