帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 動物園動物学研究室(山梨県上野原市、准教授:野田 英樹、以下 帝京科学大学 動物園動物学研究室)とAQUARIUM x ART átoa(兵庫県神戸市中央区、館長:中山寛美、以下átoa)は、昨年8月24日から共同研究として「ゾウガメの消化速度と代謝に関する研究」を行っています。本研究の一環で、『世界カメの日 2023イベント』として、ヒマワリの種を与えました。
『世界カメの日』とは・・・
発祥はアメリカで、非営利団体「America Tortoise Rescue」が2000年に制定し、「カメに関心を向け、知識を深め、敬意を払い、カメの生存と繁栄のための人間の行動を奨励する日」としてカメのことを考えてできた記念日です。
『ゾウガメの消化速度を調べよう!』
帝京科学大学 動物園動物学研究室が『世界カメの日』にちなみ「ゾウガメの消化速度を調べよう!」と全国の動物園水族館に一斉イベントを発案されました。
- 日時:2023年5月23日(火)
- 方法:①各施設で飼育しているゾウガメの好物(ペレット、バナナ等)にヒマワリの種(20~30粒)を混ぜて食べさせる。②糞の中にヒマワリの種が含まれていた日を記録し、そのカメの甲長や飼育環境をあわせて主催者(帝京科学大学)に知らせる。
- 対象:国内動物園水族館、その他で飼育されているアルダブラゾウガメ
※ケヅメリクガメ、ヒョウモンガメ等の参加もOK!
- 注意点:複数飼育されている場合は、特定の1個体だけを対象にします。
átoaでの調査
átoaでは8種類の亀たちを飼育していますが、今回の主役はアルダブラゾウガメです。アルダブラゾウガメが餌(草食)を食べてから糞が出るまで、7日~43日かかるといわれています(Hansen,kaiser&Müller,2008)。季節、飼育環境、保温状況、餌の種類、個体の大きさ等によって異なると予想されますが、日本で飼育されているゾウガメの消化速度は実際に調べてみないとわかりません。今回はゾウガメの消化速度を調べるため、アルダブラゾウガメのメポ(♂)の餌にヒマワリの種を混ぜて与えます。
今後の展開
ゾウガメの糞には、草木や種が消化されずに出てくることがあります。ヒマワリの種も消化されにくいので、糞に混ざって出てくるはずです。これから毎日糞を採取して、すみずみまでチェックし、何日目の糞に種が混じっていたかを記録します。面白いのはátoaだけではなく、ほかの動物園などと一斉に実験を行い、比較ができることです。どんな結果が出るのか楽しみです。