今年の夏、アトアでは「海ごみ問題」に焦点を当て、海ごみが私たちの生活とどうつながっているのか、未来の海を守るためにはどうしたらいいのか、皆さんと一緒に考える企画を実施しました。今回はそんな夏の取り組みをご紹介します。
企画展「プラスチックの海~変えられる未来~」
毎年、約800万トンものプラスチックごみが海に流れ込んでいることをご存じでしょうか。私たちの日常生活から出るプラスチックなどのごみが海に流れ込み、海の生きものが誤って食べることで、栄養不良や化学汚染などを引き起こすことが心配されています。そして、実は私たち自身も、食べ物や飲み物、空気から日々プラスチックを体内に取り込んでいることが分かってきました。
そんな現状を知ってもらうため、7月18日~8月31日までアトアの3階FOYERにて企画展「プラスチックの海~変えられる未来~」を開催しました。より多くの方に海ごみ問題のメッセージを伝えたいという思いから、2024年秋に開催した企画展をリニューアルして2025年の夏休み期間の開催となりました。
難しくなりがちなテーマですが、イラストを多く使ったパネルや、ごみが流れ着いた砂浜を再現したジオラマなどを展示し、直感的に海ごみ問題を理解してもらえるよう工夫しました。
また、プラスチックの海からのミッション「ごみ調査レポート」と題し、実際に目にしたごみの種類や量を記録できるワークシートを無料配布しました。夏休みの自由研究としてもぴったりなこのワークシートはご好評をいただき、最初に準備した1000枚はあっという間になくなって、急いで追加分を準備しました。
この企画展は『ひょうご豊かな海づくり県民会議』の補助を受けて実施しました
体験型ワークショップ「プラごみ弁当を作ろう!」
8月7日・8日には、プラスチックごみを素材にしたプラごみ弁当を作るワークショップを開催しました。
「ヒトが1年間に摂取するプラスチックの量は、多く見積もるとお弁当1個分になる」ともいわれており、ワークショップを通して人とプラスチックとの関係を楽しく学んでもらうことを目指しました。
素材集めは、神戸市環境局様にご協力いただいたり、日頃から出るプラスチックごみをアトアのスタッフみんなで集めたりしたのですが、その量の多さに、改めてプラスチックごみが私たちの生活にどれだけあふれているかを実感しました。
当日は夏休みということもあり、親子連れを中心に幅広い世代の方にご参加いただきました。参加者が作ったお弁当は、かわいらしいものから、アイデアあふれる大作までさまざまで、「ゴミ弁当コンテスト※」を主催するPUBLICIS GROUPE JAPAN(ゴミライプロジェクト)のスタッフさんもサポートに加わってくれました。※今年のコンテスト募集期間は終了しています。
東京のイベント「海の自由研究フェス2025」に参加!
![]() |
![]() |
アトアは今年も、特定非営利活動法人グリーンバードが主催する「海の自由研究フェス」に参加しました。毎年夏休みに開催されているこのイベントは、子どもたちが海の環境問題や生態系について楽しく学べるもので、今年は7月26日・27日に開催されました。
昨年に続いて2回目の参加となる今回は、展示物を増やし、河川や砂浜のジオラマ、マイクロプラスチックが漂う未来の海を再現した水槽など、多様な観点からごみ問題を感じてもらえるように思いを込めて作りました。
※マイクロプラスチック:5ミリメートル以下の微細なプラスチックごみを指す
一人ひとりの小さな変化が、未来の海を変える
海ごみ問題はとても大きなテーマですが、一人ひとりの行動が変わることが解決への第一歩です。アトアの取り組みを通して、海ごみやプラスチックへの意識が高まった方が一人でも増えればうれしく思います。私自身も、この夏をきっかけに身の回りのプラスチックごみの多さに改めて気づき、マイボトルを持ち歩く頻度が増えました。小さな変化でも、それがたくさん集まればきっと大きな力になります!
アトアはこれからも生きものの魅力と共に、海ごみの現状と未来について皆さんと一緒に考え、行動するきっかけを提供していきたいと考えています。