皆さんは海で写真の生きものを見たことがありますか?
まるで亀の手のような形をしている不思議な生きもの。
名前は「カメノテ」。
貝のように見えますが、実はエビやカニと同じ甲殻類の仲間で、その名の通り亀の手のような姿が特徴的です。
アトアでは3階GALLERYの水槽で展示しています。
そんな変わった姿をしているカメノテですが、自然下ではどのように暮らしているのでしょうか?
少し覗いてみましょう。
カメノテは北海道の南西部以南からマレー諸島にかけての潮間帯に暮らしています。
潮間帯とは、潮の満ち引きによって1日のうちに陸上になったり海中になったりするところです。
潮間帯の大きな岩の隙間や割れ目を覗いてみると・・・。
このようにたくさん密にくっついています。
カメノテは幼生の頃はプランクトンと同じ浮遊生活を送りますが、岩に付着してからは移動しません。 では、どうやって餌を食べているのでしょうか?
実は、カメノテは頭状部(亀の手の爪みたいな白い部分)の殻を開閉することができ、熊手のような脚を出してプランクトンを捕まえ食べているんです。
干上がっている時はぴたりと殻を閉じていますが、水が満ちてくるといっせいに殻が開き、中から脚がわしゃわしゃと出てきます。この脚を熊手で掻き込むように出し入れして流れてきたプランクトンを捕らえているんですね。
この脚は「蔓脚(まんきゃく/つるあし)」といいます。
アトアのカメノテ達も蔓脚を出している姿を観察できますよ!
岩に付着し蔓脚でプランクトンを捕らえて暮らしているカメノテですが・・・じつは地域によっては食用として食べられており、販売もされています。
塩茹でやみそ汁にして食べるのがオススメです。
魅力たっぷりの面白い生きもの「カメノテ」。
海へお出掛けの際は、波うち際の岩の隙間や突堤の割れ目を覗いて探してみてください。
そして、アトアのカメノテ達にもぜひ会いに来てくださいね!