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オスとメスが入れ替わる!?驚きの繁殖戦略とは

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みなさん、こんにちは。

ファンタジー作品を見ていると、特別な能力で性別が入れ替わったり、「来世は東京のイケメン男子にしてください!」主人公が願ったりする場面があります。私たち人間にとって、性別が変わるというのは特別な事案なようです。

一方で魚の世界では、成長の途中でオスからメスへ、あるいはメスからオスへと性転換する種類がいます。このような魚は一生のうちに両方の性の機能を持つことが特徴です。また、本格的な研究が始まった1960年代から現在に至るまで約500種類の性転換する魚たちが確認されています。

オスとメス?

生物の繁殖方法は、無性生殖と有性生殖の大きく2つに分けることができます。

有性生殖は、繁殖相手 (配偶者) が必要であり、オスとメスの2つの性に分かれて繁殖を行います。これは遺伝的な多様性を生み出し、環境の変化に適応するためと考えられています。

言い換えると、オスとメスが繁殖に適したタイミングで出会わなければ、子孫を残すことはできません。

そこで、一部の魚たちが進化の過程で獲得した繁殖戦略が、今回のテーマである「性転換」です。

性転換とは

性転換とは、一生のうちで性が変わることを指します。性を入れ替える最大の目的は、その個体が生涯に残せる子孫の数を最大化することです。

一方で、どちらの性へ変わるのか、いつ性転換をするのかは種によって実に多様であり、性転換は繁殖戦略と深く結びついています。今回はオスからメスに性転換する「雄性先熟 (ゆうせいせんじゅく)」とメスからオスに性転換する「雌性先熟 (しせいせんじゅく)」をご紹介します。

それでは、アトアで暮らしている2種類の魚を例に出してご紹介したいと思います。

スパインチークアネモネフィッシュ (写真:メス)

スパインチーク生体.jpg

【オスメス】雄性先熟(ゆうせいせんじゅく) 

クマノミの仲間はイソギンチャクの周りで生活し、通常は1匹のメスと1匹のオスで繁殖する一夫一妻(いっぷいっさい)制です。クマノミの仲間では、大きなオスがメスに性転換することが知られています。

スパインチーク解説.jpg

クマノミの仲間の繁殖では、イソギンチャクの触手に覆われる岩盤に卵が産み付けられ、捕食者から卵は守られます。そのため、卵を保護するオスの体の大きさは繁殖成功にあまり影響しないとされています。

対照的にメスは体が大きいほど卵を沢山産むことができます。そのため、ペアのうち体が大きい方がメスに性転換することで、より多くの卵を産むことができ、雄性先熟が有利となります。

キンギョハナダイ (写真:オス)

キンギョハナダイ生体.jpg

【メスオス】雌性先熟(しせいせんじゅく)

キンギョハナダイは、動物プランクトンを食べるため群れを作ります。この群れは少数のオスと多数のメスから形成され、体の大きなオスのなわばりがメスの行動圏を覆うことで、安定した配偶関係が維持されています。伊豆諸島の三宅島での調査では、15匹のオスと72匹のメスからなる群れが確認されており、このような繁殖方法をハレム型、または一夫多妻(いっぷたさい)制と呼びます。

キンギョハナダイ解説.jpg

キンギョハナダイでは、群れの中で成長したメスがオスへと性転換することが知られています。ハレム型の場合、一般的に小さいオスは繁殖機会を得ることは難しく、対照的にメスは体の大きさに関わらず繁殖機会を得ることができます。このような場合、体が小さいときにメスとして成熟し、成長後にオスに性転換を行うことで、その個体の生涯において最も効率よく子孫を残すことができるのです。

多様な繁殖方法

今回ご紹介した魚たちは、「体が大きさが繁殖に有利となる性別」へと性転換することで、生涯に残せる子孫の数を最大化しています。

魚類には他にも、オスからメスへ、メスからオスへと双方向に性転換する種類や、オスとメスの機能を同時にもつ種類など、実にさまざまな繁殖戦略が知られています。

いかがでしたでしょうか。ユニークな魚たちの繁殖戦略に興味を持っていただけたかと思います。

アトアでは、今回ご紹介した性転換をはじめ、魚たちの興味深い生態を「魚名板」で紹介しています。飼育員がオリジナルの文章で分かりやすく解説していますので、ご来館の際は魚名板にも注目してみてください!

魚名板.jpg

是非アトアに遊びにきてくださいね!それでは。