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アトアの飼育日記
MARINE NOTE 生命のゆらぎ
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日本の水族館で初めて⁉ ヘコアユが産卵する様子の撮影に成功しました!

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まるで海中を漂っているかのような体験ができる2階「MARINE NOTE / 生命のゆらぎ」ゾーン。

その一角には、奇妙な姿をした「ヘコアユ」という魚が暮らしています。

IMG_4869.JPG

剃刀のような形をしているヘコアユは通常、頭を下にして群れて泳ぎます。

黒い線が入った体を縦にして、海藻やウニの棘の間を泳ぐことで外敵の目を逃れていると考えられています。

実は先日、このヘコアユが卵を産んでいるところを撮影することに成功しました!

筆者が調べた限りでは日本の水族館で初めて撮影されたヘコアユの産卵映像です!

ヘコアユの産卵は卵の粒が鎖状に連なった細長い状態で産み落とします。

この動画では、鎖は数センチしかなく、実際にはこれよりも長い卵を産むようです。

ちなみに、ヘコアユの繁殖については1977年に志摩マリンランドが日本動物園水族館協会(JAZA)の繁殖賞を受賞しています。

繫殖賞とは、JAZA加盟園館が飼育動物の繁殖に成功し、それが日本で初めての例であった際に贈られます。繁殖の成功を讃えて公開することにより、繫殖技術の向上と希少動物の保存につなげることを目的としています。

水族館は皆さんに楽しんでもらったり、生きものについて知ってもらったりするという役割に加え、地球上の生きものたちが絶滅しないよう「種の保存」を行っていくという使命も担っています。

飼育している生きものが産卵し、孵化後、大人になるまで育てるための知見と技術を培うことは「種の保存」活動の一環なんです!

これからもátoaで暮らす生きものたちの繁殖行動に注目していきたいと思います!