みなさん、こんにちは!
今回は、飼育員の味方!お掃除係の生きものたちを紹介したいと思います。
飼育員は毎日、展示水槽をきれいに維持するため、スポンジやブラシなどさまざまな道具を使って掃除をします。しかし、汚れ具合によっては手に負えなくなる時もあります。そんなときには生きものの力も借りています。
アトアでは、水槽のお掃除をしてくれる生きものたちは、お掃除係と呼んでいます。水槽の解説パネルで、淡水と海水でそれぞれの主力のお掃除係のメンバーを紹介しており、水槽に入っている場合は、出勤中のシールを貼ってあります。
水槽ごとに展示している生きものが違えば、底に敷く砂や、岩や木などのレイアウト、光の強さなども異なるので、水槽に生える藻の種類や汚れ具合も違います。お掃除係の生きものは、それぞれ得意不得意があるので水槽の汚れの特徴に合ったメンバーに出勤してもらっています。
淡水のお掃除係だけサクッと紹介します。
ヤマトヌマエビ
藻類や残った餌などなんでも食べてくれるオールラウンダー。
お腹がすくと、水草まで食べてしまうことがあるのが、玉にきず。
セルフィンプレコ
最大全長は、50cmにもなる大型のプレコ。
藻類をパワフルに食べてくれる。
アトアのピラルクが泳いでいる大型水槽で大活躍中。
コリドラス ステルバイ
砂を口に含み、微生物だけ濾し取って食べている。
砂をかき混ぜて、汚れが溜まるのを防いでくれる。
砂のお掃除に特化したお掃除係
オトシンクルス
柔らかい藻類を好む。
アトアでは、個性的なお掃除係がそれぞれの水槽で活躍しています。
最近、新しくお掃除係を入れた水槽があります。
ホワイエのゾーンにあるアフリカンシクリッドを展示した水槽は、緑色の藻類が岩にびっしりと生えており、タワシなどで磨いてもなかなか取ることができません。
このような藻類には、イシマキガイが適任です!
イシマキガイは、殻の大きさが1~2センチほどの小型の巻貝です。水槽内では、岩や木、アクリル面など自在に移動します。
裏側から見てみると、体の軟体部がよく見えます。先端部分に口があり、中にはやすり状にザラザラとした歯舌といわれる器官が備わっています。この歯舌で岩などの表面の藻類を削るようにして食べており、頑固な緑色の藻類も食べることができます。
イシマキガイが入って数か月。動きは遅く、小型なので時間がかかりましたが、想像以上の成果を見せてくれました。
←写真の岩は、右側は左側のように隙間なくびっしりと藻類に覆われていました。それが数か月の間に、岩の表面がきれいに見えるようになったのです!
そのうえ、虫食い状に食べていくのかな?と思っていましたが、端から取りこぼしなく食べてくれるので、大変驚きました!
この調子でどんどん食べていってほしいところです。
今回は、イシマキガイに注目してみましたが、ほかのお掃除係も個性的な生きものばかりです。アトアに来た際には、見逃しがちなお掃除係の生きものたちにもご注目ください!